米国の住宅問題はサブプライムローンといわれる、低所得者層向けのローン破綻が広がっていることが大きな問題でした。しかし、この住宅ローン破綻問題はサブプライムローンに止まらず、オルタナティブAと呼ばれるより上位層にもローン破綻が増加してきました。

米国住宅問題はサブプライムだけに止まらない?

米国の住宅ローン問題

世界経済の牽引役だったアメリカに代わって欧州が元気です。対ドルでのユーロ高は史上最高を記録しています。
米国経済が変調をきたした原因の一つが住宅問題です。住宅問題については「米国のサブプライム問題を検証します」記事にも書きましたように、住宅価格の値上がりを担保にお金を借りていた米国消費者が一旦住宅価格が下落すると家計破綻を引き起こすという問題です。

サブプライム問題といわれるように、低所得者層向けの住宅ローン(モーゲージ)に破綻が広がり、サブプライムローン大手のニューセンチュリー・フィナンシャルなどがNY証券取引所の上場停止となったことが大きなニュースとなりました。
ただ、米国の住宅ローン焦げ付き問題はサブプライム層に止まらない話となってきました。

オルタナティブA(オルトA)でもローン延滞率が上昇

米国の住宅ローンには一般消費者向けのプライムローンと低所得者向けのサブプライムローンがありますが、さらにプライムローンとサブプライムローンの間にオルタナティブA(オルトA)と呼ばれるローンがあります。
米国では最近、サブプライム層よりも上の層であるオルトA層でもローンの遅延率が上昇しているのです。今のところオルトAの60日以上の遅延率は3.5%程ですが、前年度の2倍に急増しているのです。
オルトAの全米モーゲージ(住宅融資)ローンに占める割合が10〜15%にも達するのでこの遅延率は決して小さくありません。

もしこのまま米国の住宅価格が上がらないと、オルトAローン債務者の破綻が増えると見られます。サブプライム債以外にも住宅ローン焦げ付き問題が波及すると、住宅融資を専門とする多くのモーゲージローン会社が危機に陥る可能性があります。

今週発表された3月の住宅着工件数、住宅許可件数は共に前月比+0.8%と比較的落ち着いた数字となっています。ただ、住宅ローン金利は徐々に上がっておりローン債務者にとっては、容易に借り換えができない状況です。

参照

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