参院選選挙結果の為替相場への影響
過去の参院選与党敗北時の株価、為替レート推移
安部内閣の支持率が低迷し、今回の参議院選挙では自民党の苦戦が予想されています。参議院選挙で与党が敗北したときの、為替市場に与える影響を検討します。
上のグラフは2004年の前回参議院選挙で与党が敗北したときの株価、為替レート推移グラフです。選挙後は株価が低迷し、為替は円安方向に動きました。ただ、選挙直後は与党敗北=株価低迷、円安に動きがちですが、中長期的に見ると選挙結果よりもファンダメンタルズに従って動いています。
今回の参議院選挙後の為替相場予想も次のように考えています。
参院選後の為替予想
- 与党敗北でも影響は軽微?
- 各マスコミ情報によると、自民党の過半数割れは避けられない情勢です。ただ、報道によってこれだけ事前予想が出ると株価も為替もすでに与党敗北を織り込み済みとも言えます。従って、予想通り与党が過半数割れしても、大きな為替変動は起こらないのではないでしょうか。
- 与党勝利でも円安基調変わらず
- 事前予想に反して、与党が健闘し過半数以上を確保し参議院での与党優位を維持できた場合はどうでしょう。これはサプライズとなりますので、選挙直後は株価上昇、為替の円高修正に動きそうです。ただし、与党が勝利したと言うことは、現状の経済政策が継続されると言うことですので、市場は冷静さを取り戻すと、これまでの円安基調に戻ると思われます。
しかし、もっとも大事なことは参議院選挙結果に金融市場はあまり影響されないということでしょう。世界の中の日本政治があまり関心を呼ばなくなってきたこともあるでしょう。
為替レートや株価に大きな影響を与える外国人投資家の関心は日本の政治よりも日銀の金融政策や日本以外の国に移っています。
確かに世界の金融市場に与える影響を考えると、日本の低金利政策がどれくらい続くのかの方が与党が参議院選挙に勝利するより遙かに重要です。
そういう意味では、安部総理よりも福井総裁のほうが世界の金融市場への影響力は強いと言えるでしょう。
参照
為替相場の予想はファンダメンタルズの把握が基本
景気、物価、金利差が為替レート変動に影響を与える