G7後の円相場は<共同声明で円安に言及せず>
ドイツで開かれたG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)の共同声明で、直接の円安言及はありませんでした。
しかし、日本経済に対し「このような経済動向の意味が市場参加者に認識されると確信する」と、日本経済が順調に回復していることを市場が認識すべきと言っています。これは、日本経済が回復しているのだから、円安は行きすぎているともとらえられます。
G7では、欧州委員からは円安に強い懸念が表明され、要人によるの円安懸念発言が何度も聞かれました。しかし、日本や米国の反対で共同声明には円安への言及は盛り込まれませんでした。
しかし、欧州では急激な円安ユーロ高が日本への輸出にブレーキをかけていますので、引き続き円安是正への圧力をかけてくると思われます。
今回は円擁護にまわった米国ですが、米国国内には円安ドル高に懸念をいだく産業も多く、このまま円安が進めば、米国内からも円安懸念発言が出てくる可能性もあります。
いまのところ、「介入もしておらず、市場が現在の為替水準を決めている」と現状追認の姿勢を見せる日本側の態度にも変化が現れる可能性はあります。