年末相場展望、円の低下?
日銀は12月の政策決定会合で、短期金利誘導目標を現状維持の0.25%に決めました。その後の日銀福井総裁の定例会見を見た投機筋は日本経済がまだまだ弱いと判断して円を売っているようです。世界経済情勢を鑑み、年末に向けての為替動向を探ります。
米国経済の堅調
2007年に向けて、経済は減速傾向を示すと見られていましたが、ここしばらくの経済指標は米国経済の意外な堅調ぶりを示しています。
- 卸売り物価指数(PPI)
- 事前予想を大きく上回る
前月比+2.0%(30年ぶりの高水準) - 住宅着工指数
- 着工件数前月比+6.7%
認可件数前月比-3.0% - 消費者物価(CPI)
- 前月比0%と現状維持
卸売物価指数が1974年以来となる+2.0%の伸びを示したのは驚かせる数字です。来年早々にも利下げをもくろんでいたFRBにとってはまさかの数字だったでしょう。住宅着工認可件数は減少していますが、これまでの住宅投資加熱を考えると落ち着いた数字になり来年にかけては上昇が見込まれます。消費者物価は伸び率は落ち着いた数字を示していますが、米国の消費の強さには変わりありません。
日本経済は停滞か
- 日銀短観
- 生産者物価 上昇
設備投資 旺盛
消費者物価 停滞 - 貿易収支
- 黒字幅 減少
- 経常収支
- 黒字幅 拡大
欧米の堅調さに比べると日本経済の弱さが目立ちます。いざなぎ景気を超える言われる長期間の景気拡大ですが、輸出に支えられた企業部門の景気拡大に支えられている構図が見えます。心配なのは、12月に発表された10月度の貿易収支では黒字幅が減少していることです。国内消費が盛り上がらない中で要の貿易収支にも陰りが見えると景気の踊り場が長引くことも考えられます。
米国のFRBによる2007年政策金利は早期の利下げが難しくなると思われます、日銀にとっては米国の加熱が日本に及ばないようにと言う大義名分で早期の金利引き上げを実施する可能性もあります。
どちらにしろ、年末から年明けにかけて経済指標や要人発言にサプライズがなければしばらくは神経質な為替相場になるのではないでしょうか。
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