ビックマック平価から見た2006年下期為替相場
(出典:英紙「The Economist」)
ビックマック平価という言葉を聞いたことがあると思います。
英紙「The Economist」が1986年から始めた世界各国のマクドナルド店で販売されているビッグマックの価格を調査し、指数化した数字です。
ビッグマックは世界中でほとんど同じ材料を使って作られているので、関税や人件費を除くと基本的には同じ価格になるはずだという考えから作られた指標です。
上の表は円/ドル為替相場とビッグマック平価を比較したグラフです。このグラフを見ると必ずしも理論通りには為替相場は動いていないことが判ります。ただ、ビックマック平価から乖離した為替実勢値が平価に近づいていくことが見えてきます。
このビックマック平価からみた2006年下期の為替相場を展望してみます。
円は強含み
円はビッグマック平価からみると、大幅に安い水準にあります。
円はこれまで政治的な要因や為替介入で円安水準に調整されています。このような影響で円はビックマック平価に素直に従わない可能性はありますが、ニュートラルな状態であれば円はもう少し高くなると認識しておくのが肝心です。
アジア通貨も強含み
人民元、韓国ウォン、香港ドルなどいずれもビックマック平価から見ると安い水準にあります。年度末に向けて、上昇圧力が強まると見込まれます。
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