9月20日未明に起こったタイ軍事クーデターの為替市場に与える影響を考察します。

タイ軍事クーデターの為替相場への影響

タイバーツ為替相場
(出典:Bloomberg)

20日未明に起こったタイ軍事クーデターは、1997年の金融危機を思い起こさせるものでした。
確かに、クーデター後タイバーツは米ドルに対して数%下落しましたが97年の金融危機のような大規模な混乱は起きていません。今回のタイ・クーデターに対する為替マーケットの見方はどうなのでしょう。

97年当時と一番違うのは、タイの経済状況でしょう。最近のタイ経済は前年比5%程度の成長を遂げており、個人消費も順調に伸びています。
タイの国民もクーデター後とは思えないほど冷静で、国民生活に混乱は起きておらず。今後もタイ経済は、内需主導の順調な拡大が見込まれます。
さらに、タイの外貨準備高が97年当時よりも大幅に増加しているので、少しぐらいタイバーツが下落してもタイ経済に大きな混乱を起こさせることはないでしょう。

今回の軍事クーデターで、タイの政治的混乱が早期に終止符が打たれると、タイ経済および世界の金融市場にはプラスとなるかもしれません。