ドル(米FRB)の行方を先取りするカナダ中銀の動き
7月14日、日銀がゼロ金利を解除したのは既報の通り(日銀のゼロ金利解除は為替相場にどう影響するか)。
今後の日米金利差がどうなるのか、為替市場に一喜一憂している諸兄には大いに気になるところです。
北米で米国と経済的な繋がり強いカナダの金利政策に動きがありました。
BOC(カナダ中央銀行)は7月11日の金融政策決定会合でこれまで続けてきた連続金利引き上げを中止し、現行の4.25%に政策金利を据え置いたのです。
最近のカナダの経済状況は、内需主導で力強い拡大を続けています。それにもかかわらず、カナダ金融当局が金利引き上げを中止したのは、米国の経済減速を予想しているからではないでしょうか。
カナダが米国(FRB)と違い躊躇せず金利引き上げを中止できたのは、消費者物価指数の安定にると思えます。
カナダのコアCPI(消費者物価指数)は、6月時点でも2%を下回っており、きわめて安定した状況にあります。
カナダ金融当局の懸念は、カナダ輸出産業の景況感ではないでしょうか。
これまでの金利引き上げでカナダドル高になり、輸出産業に打撃を与えているからです。
カナダの多くの輸出産業が米国に依存しています、もし米国経済減速が顕在化するとカナダの輸出産業にも大きな打撃となります。
このような状況を勘案して、BOCは米国に先立って政策金利引き上げを中止したのではないでしょうか。
FRB(米連邦準備理事会)による利上げ中止を先取っていると考えるのは、チョット気が速いですかね。