2月に実施された日銀金融政策決定会合で追加利上げが決定され、現状の0.25%が0.5%に引き上げられました。

日銀追加利上げで今後の為替は

2月21日開かれた日銀の金融政策決定会合で、2006年7月ゼロ金利が解除され0.25%に短期誘導金利を設定して以来、はじめての追加利上げを決定し、短期誘導金利は0.5%となりました。
1月の日銀金融政策決定会合でも3名の委員が利上げを表明し、2月での利上げが濃厚だとも言われていました。特に先日発表された昨年10月〜12月の国内総生産(GDP)の伸びが予想以上となり追加利上げには追い風となりました。
しかし、市場では今回のGDPの上昇は前期の低い数字の反動で、通年で均してみると穏やかな数字で、依然として国内景気に力強さが見られないという見方も広がっていました。

2月の日銀金融政策決定会合では、副総裁の岩田一政副総裁だけが反対し他の委員は利上げに賛成したと伝わっています。総裁、副総裁で意見が分かれたのは新日銀法になってはじめてのことだとか、我々の感覚からするともっと票が割れると予想していましたが、案外利上げ意見が多かったようです。
やはり、今回利上げしておかないと7月にも行われる参議院選挙の関係で利上げ実施が困難になると考え早めの利上げに踏み切ったと思います。

日銀の追加金利引き上げて為替が円高方向に向かと思いきや、121円台へと円安方向に為替は動いています。これは、一種のアク抜けで金利引き上げという不安要素が確定したことで、今後の行動が取りやすくなった投資筋の動きでしょう。
今回の利上げで、少なくとも参議院選挙が終わるまでは次の金利引き上げは実施されず、現状では世界の通貨と比較するとまだまだ日本円の金利が低いことが背景にありそうです。

政権与党にとっては、利上げは選挙にとってマイナス要因であることは確か。7月の参議院選挙に向けて、消費低迷が続き悪い景気指標が出てくれば、安部内閣の支持率が更に悪化することも考えられます。
安部首相は予防線として、今回の利上げは日銀の責任を強調し、今後もし景気が低迷しても火の粉が自分にかからないような発言が目立ちます。

参照

ドル(米FRB)の行方を先取りするカナダ中銀の動き
カナダ中銀の金利引き上げ中止は今後のFRBの金利政策動向を占う?